加藤農園
梨の生理障害
☆梨の生理障害☆
 生理障害とは、鳥獣害や病害虫などの外部的な被害ではなく、植物自体の習性による障害です。

 ここでは、梨によくおきる、生理障害を紹介します。
枝紫変色障害
枝紫変色障害  枝紫変色障害とは、梨の枝が黒っぽく(実際の症状は、紫と言うより黒に近い色です。)変色して、枝が枯死してしまう生理障害です。

 特徴的な症状として、枝が変色する以外に、独特の甘い発酵臭が有り枝を切ると。プ〜ンと臭ってきます。

 この障害の一番困った点は、発症した患部を放置しておくと、障害が進行していくことです。

  枝紫変色障害の原因は、低温障害と言われていますが、詳しいことはまだ判明していない生理障害です。
 
比 較
 以下で同一品種の梨の枝の、健康な枝と障害の出た枝とを比較してみました。
健全な枝  障害の発生した枝が、変色しているのが判ると思います。 障害の枝
健全な枝 障害の枝
健全な枝切断面  枝を切ってみると、水や養分の流れる維管束の部分が、完全に変色しているのが判ります。

 中心の木質部の色も、少し変化しています。
障害の枝切断面
健全な枝切断面 障害の枝切断面
表皮を剥いだ健全な枝  こちらは、枝の表皮を剥いだところですが、やはり維管束の色が変色しています。 表皮を剥いだ障害の枝
表皮を剥いだ健全な枝 表皮を剥いだ障害の枝
切除した枝 枝紫変色障害は上記のように、放置しておくと症状が進行するので、剪定時に見つけ次第切り取っていきます。

 病原菌による病気ではないので、患部を還元に切除すれば、とりあえず症状が広がることはありません。

 障害の発生要因は、低温ですが私の見た範囲では、病害虫で弱った枝や木で発生が多く見られるような気がします。
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