加藤農園
梨の病害虫
カイガラムシ類
 カイガラムシは梨だけではなく、果樹全般に発生する害虫で、主に幹や枝に発生して養分を吸汁し、多発すると木が衰弱して枯れてしまうこともあります。

 一口にカイガラムシと言っても色々な種類があり、大まかに分けると以下の様に3種類に分けられます。
  ※カイガラを付けているもの
  ※ロウ物質に覆われているもの
  ※カイガラを付けないもの
梨園で発見した、カイガラムシ
 梨園の中で実際に見かけた、カイガラムシを紹介します。
ツノロウムシ
ツノロウムシツノロウムシ裏側 ロウ物質に覆われていて、細い枝に発生しています。

 私の農園では、時々目にする程度で、今の所大きな被害はありません。

 たまに見つけると、剪定鋏ではぎ取り捕殺しますが、裏側は気持ち悪い色をしています。
コナカイガラムシの一種
コナカイガラムシの一種 カイガラムシの中では珍しく、果実に発生して吸汁します。 多量に発生すると、煤状の排泄物が付着して果実の品質低下、また吸汁されることにより、日持ちが短くなるなどの被害が発生します。

 カイガラムシの中では移動速度が速く、肉眼でも移動しているのが判ります。

 またコナカイガラムシは、種類が多いためコナカイガラムシ類と表記しています。
ナシマルカイガラムシ
ナシマルカイガラムシ変色した組織 非常に小さいカイガラムシで、気が付くと大量に発生していることが多く、多発部分の表皮を剥がしてみると、赤紫に変色しています。

 多発すると、細い枝は枯死しますし、太い枝も表皮がガリガリになり木全体が衰弱してきます。

 実は私の農園で、現在一番頭を悩ませている害虫です。
カイガラムシ類の対策
罹患部切り取り罹患部焼却 カイガラムシ類は、殻やロウ状物質で覆われているため、農薬を散布しても農薬をはじくため、薬剤での防除は難しい害虫です。

 対応としては、剪定で枝を薄くして、農薬がかかりやすくすることや、油を散布して窒息させたり、物理的な防除が有効です。 ちなみに私の農園では、食用油を罹患部に刷毛で塗布しています。

 荒療治としては、大量に発生している部を切除して、切り取った枝を焼却することもありますが、あくまで最後の手段です。
 
カイガラムシ類の対策 2
カイガラムシの対策と言うよりは、カイガラムシの密度が高くなり通常の方法では手の打ちようが無く、苦肉の策でリスクもあるのですが、ハンディバ−ナ−で直接カイガラムシを焼き殺すことにしました。

熱により梨の枝にもダメ−ジがあると思いますが、このままカイガラムシを放置していても被害が出るので思い切って試してみました。

もちろん特にカイガラムシが密集している場所を、出来るだけ短い処理時間で終わるように気をつけています。

※試験的に行った物で梨の枝の影響など全く判らないため、万一同様の処理を行う場合は自己責任でお願いします。
密集したナシマルカイガラムシ   ハンディバ−ナ−   ハンディバ−ナ−
これだけ密集するとどうしようもないので・・・    思い切った手を試してみました。
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