剪定と誘引 |
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剪定を一言で説明するのは難しいのですが、高品質な果実が収穫できそうな枝を残し、樹全体の枝の配置を考え、日当たりが良くなる様にし、古い枝を新しい枝に更新する作業の事です。
また剪定と同時に枝を果樹棚と呼んでいる針金に結びつける、誘引という作業を同時に行います。
時期的には、落葉後から翌年の芽が吹くまでの間の期間、早い話が冬の間の作業になるので、寒い間に作業する事になります。 |
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剪定前:真上に伸びた枝がたくさんあります。 |
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剪定後:上に伸びた枝はほとんど無くすっきりしています。 |
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ひこばい(台木)の整理 |
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本格的に剪定が始まる前に、ひこばいと呼ぶ根からはえてきた台木を切除します。
ひこばいは全ての木にはえてくる訳ではありませんが、木によっては沢山はえます。 |
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梨のひこばいには、トゲが生えていて、刺さると何時までも痛みを感じます。 |
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剪定作業 |
剪定を始める前に三脚に登り、高い位置から樹全体を見渡し、大まかに切る枝残す枝を考えます。
基本的には、樹全体に日が良く当たるように、枝をバランス良く配置するようにします。
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重なった枝があると日たりが悪くなるので、優先的に切り取ります。 |
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最初に古い枝や上向きの枝など、太めの枝をノコギリを使用して切り取ります。
特に上向きの枝は残しておくと養分が良く流れるため、確実に太くなり収拾が付かなくなるので切り残しがないようにします。
この段階の作業を、荒剪定と呼んでいます。
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続いて剪定鋏を使用して細い枝を切り樹形を整えていきます。 |
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梨の場合は枝を果樹棚と呼ぶ、網状に張った針金に誘引して、樹形を整えます。
また果樹棚に誘引することで、台風などの強風で、枝が折れたり果実が落果する被害を軽減することが出来ます。
誘引時には男結びと言う独特の結び方で誘引しています。
☆男結びの詳しい説明
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誘引が終わった後に、余分な花芽を切り落とします。 この時真上や真下に付いた花芽を優先的に切り取ります。
花芽の数を一定数にすることにより、最終的に果実の肥大を促進します。 |
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太い枝の切り口は、水分の蒸発や病原菌の侵入を防ぐため、ペ−スト状の保護剤を塗ります。
本当は枝を切った直後に塗るのが良いのですが、翌日の朝塗布しています。 |
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