加藤農園
野 菜 接ぎ木
野菜苗の接ぎ木
 加藤農園で栽培している、トマトとキュウリ、販売用野菜苗の中でスイカ、メロンの苗は、接ぎ木をしています。

 何故接ぎ木をするかと言えば、病気などに弱いけど高品質な品種を、病気などに強い台木に接ぎ木をする事で、病気に強くて高品質な野菜苗を作る事が出来ます。

 1度に沢山接ぎ木をする時は、3人位で作業をしますが、少量の場合は一人で作業をします。

 用語の説明ですが、栽培したい方の品種の事を『穂木』と呼び、根の部分になる品種を『台木』と呼びます。
接ぎ木中
接ぎ木トマト苗
トマトの接ぎ木
 トマトの接ぎ木は、差し接ぎと呼ぶ方法で行います。差し接ぎは、穂木も台木も完全に切り離して接ぎ木を行う為、接ぎ木後の温度や湿度の管理が、重要になります。

 接ぎ木が部分が、活着と呼びますがうまく癒合すれば、苗の格好も良く、活着部分も丈夫で少々の事では離れませんし、後の作業もありませんが、作業的には高度な技術が要求されます。

 基本的には、栽培用の苗だけ接ぎ木をしますが、100%成功しない為に多めに接ぎ木をする為、余分な苗が出来た時には、苗の販売をする事もあります。
詳しい接ぎ木の様子
スイカの接ぎ木
 スイカの接ぎ木は、割接ぎと呼ぶ方法で行います、台木の方の芯を取り割れ目を入れ、茎を楔状に切った穂木(スイカ)を割れ目に差し込み、ピンチと言う道具で挟み込みます。

 この方法も、穂木の根を切って捨てる為に、接ぎ木後の管理が重要になりますが、接合面は丈夫になります。

 台木には、ツル割れ病等に耐病性の接ぎ木用のカンピョウを使用しています。
詳しい接ぎ木の様子
接ぎ木スイカ苗
接ぎ木メロン苗
キュウリ、メロンの接ぎ木
 キュウリ、メロンの接ぎ木は、最も一般的な、呼び接ぎと言う方法で行います。穂木と台木に上下反対方向になるよう切れ目を入れて、切れ目同士をかみ合わせてピンチで挟みます。

 この方法の最大の利点は、穂木・台木共に根を残す為、接ぎ木後の管理が簡単になりますが、接合面が若干脆くなります。

 台木には、耐病性のカボチャを使用しています。又キュウリはブル−ムレスと言って、キュウリの実に粉がふかなくなる品種を使用しています。
詳しい接ぎ木の様子
接ぎ木後の管理
温床 植え付け中 温床の中の苗
 接ぎ木後の苗は、手術後の人間と同じで弱っている為、高温多湿に保った温床に入れ、不織布を掛け遮光してやります。あとは苗の状態を見ながら、段々外の環境に慣らしていきます。
活着後の処理
 活着後に呼び接ぎの場合は、穂木の根と台木の葉を切り取る必要があります。

 またスイカの割接ぎは、本来後処理は要らないはずなのですが、台木に使用しているカンピョウの生命力が強い為、接ぎ木時に芯を取り去っているのですが、スイカより大きく生長している為、もう一度切り取る必要があります。
カンピョウの切り離し作業
キュウリ接ぎ木直後 接ぎ木キュウリ完成型 カンピョウの伸びた接ぎ木スイカ苗 接ぎ木スイカ苗完成型
接ぎ木の道具
商品名『ス−パ−ウィズ』 接ぎ木用ピンチ アルコ−ルに浸けたカミソリ
 左のチュ−ブみたいな物が、トマトの接ぎ木部分に使用する物です。斜めに切った穂木と台木をチュ−ブに中で合わせるのです。自分でビニ−ルチュ−ブを切って使用する人もいますが、接ぎ木の成功率が高い為市販品を使用しています。

 中の洗濯ばさみみたいな物が、ピンチと言う物で、接ぎ木部分を挟み込んで固定する物です。

 接ぎ木時に、苗を切るのは普通のカミソリを使用します。作業中に時々はカミソリの刃をアルコ−ルで消毒しながら接ぎ木作業を行っています。
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