加藤農園
梨-Pear- 花粉採取
☆花粉採取について☆
 梨の花粉の採取方法を、紹介します。

 最近梨に関しては業者が販売しているのですが、今の所人工授粉に使用する花粉を自家採取しています。

 人工授粉の必要性や、方法などは別のペ−ジで説明しますが、花粉の採取がどのように行われるかを、見て貰えればと思います。

 ※サクランボの人工授粉用花粉も同様の作業を行って採取しています

 
※時々受粉用の花粉を分けて欲しいと言われることがるのですが、当農園では自分の所で使用するだけしか準備していませんので、花粉は一切外部に出すことはありません。
梨花粉
まずは、花の摘み取り。
梨の花摘み取り  花粉を採取するためには、梨の花が数パ−セント咲き始めた頃の、花や蕾をもぎ取ることから始まります。

 開花が進むと花粉が樹上でふき、効率よく花粉を採取することが出来なくなります。

 一つの花からわずかな量の花粉しか取れないため、大量に花を摘み取る必要があります。
梨の花摘み取り
花や蕾を一花房ずつ、もぎ取っていきます。 傘を使用を教えてもらいましたが、なかなか快適に作業できます。
続いて、葯の採取
 花粉を採取するためにはまず、梨の雄しべの先端に付いている、葯と呼ぶ花粉の入った袋を取り出す必要があります。
花の中で赤い部分が葯です。
 摘み取った花から葯を取り出すために、旋盤とか採葯機と呼んでいる機械を使用します。

 旋盤内には羽の付いた回転するドラムがあり、これで花を解体して装置内のふるいで、花びらやがくなど大きいゴミと葯を選別します。
旋盤 排出口 集まった葯
上部の投入口から、摘み取った花を投入します。 しばらくして、後部の扉を開くと、花びらなどが排出されます。 肝心の葯は、機械下部の引き出しへ集められています。
葯  大きいゴミは取り除いたとは言え、この時点の葯には、花の軸などが混ざっているため、ふるいにかけて更にゴミを取り除きます。
ふるいかけ
まだこの時点では、ゴミがたくさん混ざっています。 比較的目の粗いふるいを使用します。
 ふるいにかけた葯にはまだ、花糸とよぶ雄しべや雌しべが残っているため、さらに花糸取り機と言う機械で花糸を取り除きます。 この作業で、葯の選別は完了です。 
葯 花糸取り機 葯
白い棒状の物が花糸です。 機械の前部に葯が、後部に花糸などのゴミが出ます。 ゴミがほとんどど無くなり、葯だけになりました。
開葯機
 葯の選別が終わると、葯を開かせ花粉を採取するために開葯機という機械に入れて、23度前後の温度で約24時間加温します。 すると葯が開き、花粉がふいて赤かった葯が黄色になっています。 
開葯機投入準備 開葯機 花粉がふいた状態の約
葯をトレイにまんべんなく、敷き詰めていきます。 この開葯機には、トレイが16枚入ります。 解約気に入れ約24時間後には葯が開いて花粉がふいてきます。
花粉採取
 最後に花粉がふいた葯を目の細かいふるいにかけて、葯と花粉を選り分けてスプ−ンで小分けして、普通の紙より通気性の高い硫酸紙に分包します。

 花粉の採取量は梨の花を30kg使用しても、花粉は30gも取れないほどで、果樹農家にとっては本当に貴重な品です。 
 
ふるいかけ ふるいかけ 花粉小分け
花粉をふるいにかけると、目には見えなくても花粉が舞っているみたいで、梨の花粉でアレルギ−が出るのか知りませんけど、鼻の穴がむずむずして梨の花粉症になるのではと心配になってきます。 
小分けした花粉  人工授粉に使用するまで貯蔵するのですが、温度が高いと花粉が発芽してし使えなくなるので、茶筒や海苔の缶などに乾燥剤と一緒に入れ冷蔵庫で保管します。
貯蔵準備
一昔前病院でもらっていた、粉薬の包みを思い出します。
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