加藤農園
梨の病害虫
カメムシ
 カメムシは、年によって発生量が違うのですが、多発すると果実への被害が甚大になります。

 カメムシの主食は、杉や檜の実なのですが、移動途中に梨などを見つけると、おやつ変わりなのか吸汁して被害を与えます。 また厄介な点の一つに、数匹のカメムシが梨などに来ると、集合フェロモンと言う物質を出して、仲間を集めてしまう事です。

 もう一つの厄介な所は、カメムシは果樹園の中で繁殖しないので、農薬を散布して一時的に抑えても、他のカメムシが園外から飛来してくる事です。 カメムシの全体量が少ない年は、まだ良いのですが、多発した年には手が付けられなくなります。
梨(果樹)に被害を与える主なカメムシ
チャバネアオカメムシ クサギカメムシ アオツヤカメムシ
チャバネアオカメムシ クサギカメムシ アオツヤカメムシ
 やや小型のカメムシですが、梨に一番多く集まる品種で、その分被害も甚大です。  チャバネアオカメムシほど被害は有りませんが、やはり梨を吸汁します。
 冬に家の中で越冬するカメムシです。
 
 このカメムシも梨に被害を与える種類ですが、私の果樹園ではまだ見たことがありません。
カメムシによる被害
カメムシによる被害果  これは、まだ幼果の頃に加害された果実です。 カメムシにより吸汁された部分の細胞が、壊死を起こし成長が止まり、果実の他の部分は成長するため、このようなデコボコの果実になります。

こうなると二級品としても、販売できなくなります。
 この果実は、収穫間際にカメムシに加害された果実です。 見た目は果実が少し陥没したように見えますが、この部分の果肉がスポンジのようにスカスカになっています。

 勿論このような状態になった 果実は、商品にはなりません。
カメムシによる被害果
写真では分かり難いので、○印を付けてみました。
カメムシの対策
 カメムシの発生が少ない年で有れば、農薬による防除で十分防げるのですが、多発した場合は、農薬による防除でも防ぎきれない事もあります。

 特に収穫時期にカメムシが発生すると、農薬の使用基準を守るた農薬の使用が出来ないため、以下のような方法で対策を行っています。
ペットボトル作戦
ペットボトルによる捕殺  カメムシが、果実などにたかっている時に、ペットボトルを下側から当てると、カメムシがペットボトルの中に落ちてきます。

 これはカメムシが逃げる時に、一旦下に落ちるようにして飛んで逃げる習性を利用しています。

 この方法は冬に建物の中で越冬する、カメムシの捕獲にも利用できます。
捕獲したカメムシ
本当に面白いように、ペットボトルの中に落ちてきます。 ペットボトルの中に少し水を入れておくと、一段と効果が高くなります。
周辺部の防除
散布機  収穫期間は果樹園内に、農薬を使用できないため、果樹園周辺の草むらや林などを、粉剤を使用して防除します。

 これはカメムシが夜行性で、昼間は周辺の林や草むらに潜んでいる性質を利用した物です。
粉剤散布
タンクには10kgほど入りますが、思った以上に広い範囲に散布できます。 比較的価格の安い粉剤を使用することで、コストを抑えることが出来ます。
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