加藤農園
梨の病害虫
梨の病害虫
 梨の病害虫について、説明をします。 農薬を使用した防除で、ほぼ防げる病害虫もありますが、中には農薬を使用しても、被害を軽減させるのがやっとの病害虫があるので、現時点では農薬を使用した防除を行わないと、病害虫により梨は、ほぼ収穫できない位の被害が出ます。
 この様な病害虫による被害を、出さない様に農薬による防除を行っています。 防除の記録はこちらからご覧下さい。

 ●梨防除履歴        ●二十世紀防除履歴
◆病気◆
黒斑病 梨と言うか植物の病気は、動物と違い糸状菌と言うカビの一種により引き起こされる病気が多いのが特徴です。 但し、細菌やウィルスによる病気は、発病すると症状が酷く、中には根本的な治療方法のない病気もあります。

 発病する病気ですが、梨の品種により罹患する病気の種類が違います。 これは梨の品種ごとに病気に対する耐性が違っているためです。

 一般的には、果実や葉に発症すると思われているでしょうが、枝や幹更には根に感染する病気もありますが、特に根に発症する病気が症状が分かり難い事と、防除が難しいので困っています。
 ◎梨の病気を具体的に説明します。
黒斑病  主に、二十世紀梨が感染するのですが、毎年大きな被害が出ます。 梨最大の難病です。
黒星病  主に、幸水などの赤梨に感染しますが、黒斑病ほどの被害にはなりません。
輪紋病  西洋梨に多く見られた病気ですが、最近は日本梨にも被害が増えてきました。
赤星病  梨全般に発生しますが、大きな被害は有りません。 病班が特徴的です。
紋羽病  根に感染する病気です。
胴枯れ病  枝や幹が枯れる病気です
◆害虫◆
ケムシ ダニやアブラムシの様に、毎年発生する害虫と、カメムシなど年により発生する数が違う虫がいます。

 最近の傾向としては、果実に被害を与える害虫の被害が目立ってきています。

 一部の害虫に関しては、効果的な農薬が出てきたので、かなり効果的に発生を抑える事が出来るようになってきましたが、中には多発すると手の打ちようのない害虫もいます。
 ◎梨の害虫を具体的に説明します。
ダニ類  多発すると、葉が変色して、最悪早期落葉する事もあります。
アブラムシ類  多発すると、葉が萎縮して、他の病害虫が発生しやすくなります。
カメムシ類  果実等を吸汁して被害を与えます。 ただ臭いだけの虫ではありません。 
夜蛾類  果実を吸汁する、蛾や蝶の仲間です。
シンクイムシ類  果実の芯を、食害する虫です。
カイガラムシ類  幹や枝に発生する、厄介な害虫です。
皮もぐり(仮称)  枝の皮の裏側に潜り込む害虫で、複数の種類がいます。
火傷症と言う病気について!!
 この病気は、現在日本では確認されていませんが、植物では珍しい細菌性の病気で、海外ではリンゴなどで問題になっています。 日本で発生していない病気の事を、なぜ紹介するかと言えば、TVとか新聞などで見た事があるかも知れませんが、アメリカ産のリンゴを輸入する際に、この火傷症の検疫をしているのですが、日本はアメリカから検疫の簡素化を求められ、WTOの交渉で簡素化をしたのですが、現時更なる簡素化を求められています。

 国家間の交渉なので、個人ではどうする事も出来ないのでしょうが、火傷症はリンゴだけでなく、梨や桃などほとんどの落葉果樹に感染する可能性があります。 この病気の恐ろしい所は、感染すると根本的な治療法もなく、効果的な農薬もないのが現状です。

 果樹類が感染すると火で焼いた様な状態になり、最悪木が枯れてしまう恐れがあり、この病気が日本で発生すると国土の面積などからすると、国産の落葉果樹が食べられなくなる可能性も十分に考えられます。 このような現状がある事を、一人でも多くの人に知って貰えたらと思います。  
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