加藤農園
梨の病害虫
紋羽病
紋羽病菌糸 紋羽病は、梨特有の病気ではなく、ほとんどの果樹類で発生する病気です。

 正確には白紋羽病と言い、リンゴのみ感染する(今の所)紫紋羽病というのもありますが、いずれにしても、地下で繁殖して果樹類の根を枯らしてしまう病気です。

 根が枯れると言うことは、樹全体が枯死すると言うことで、果樹農家でもっとも嫌われている病気の一つです。
紋羽病による被害
 正直な所地下部で発生する病気のため、感染に気が付いた段階でかなり進行している場合が多い病気ですが、秋に健全な樹より先に紅葉していると感染が疑われます。
紋羽病で枯れた梨の木 感染に気づくのが遅れると、あっという間に枯れてしまいます。

 梨の場合は何故か、植え付け10年後位の時期に発生が多く見られます。
紋羽病の対策
 紋羽病の菌は、特別珍しい菌ではなく普通に山林に生息しているのですが、土壌の生態系が乱れると物凄い勢いで繁殖していき、野生の樹木と比べ生命力の弱い果樹類を枯らしてしまいます。

 発生の予防としては、果樹類を健全な状態に保ち、免疫力が高い状態を維持することですが、これがなかなか難しいのが現状です。

 感染樹を早めに見つけ、株元を農薬で防除することで治療することも可能ですが、病気が進行していると効果が無く、植え替えをすることになるのですが、この時枯れた根をきれいに取り除いていかないと、病気が再発する確率が非常に高くなるので大変です。

 また病気が発生した樹を放置しておくと、菌糸が広がり隣の樹へ感染していくので、感染を抑えるためにも、土壌消毒が必要になります。
土壌消毒(防除)の様子
紋羽病に使用する農薬スピ−ドスプレイヤ− 紋羽病に効果があり、梨に登録があり、更に土壌消毒に対応した農薬を使用します。
株元掘り上げ株元掘り上げ まずは感染樹の、株元の周囲を掘りあげます。

 本当はスコップを使用し、手で掘った方が良いのですが、手間なので機械を利用します。
紋羽病に感染した根感染根の回収 木が枯れてしまっている場合には、根に紋羽病の菌糸が残っているため、なるべく土中から拾って少しでも感染が広がるのを防ぎます。
紋羽病防除 紋羽病防除 埋め戻し
 株元に掘った穴をめがけて、農薬を撒きます。 この時に穴だけでなく、穴の周辺にも撒く事と、掘った穴の中に農薬が溜まる位やるのがこつです。

 土壌灌中機が有れば、灌中すればなお確実です。

 最後に、掘りあげてある土を、埋め戻してやるのですが、穴の中に溜まった農薬に混ざる様に埋め戻します。
機材の洗浄 土壌消毒後、作業に使用した機材を、農薬を使用して洗浄します。 これは機材に付いた病原菌も消毒することで、機材による感染を防ぐためです。
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